写真館に木村氏・堀川氏が登場です!

面白い!実に面白い‼︎ キミシマ環礁‼︎

 トラック環礁の南のパス(水路)をさらに南下すると、キミシマ環礁(KUOP ATOLL)という場所がある。赤道方向に伸びた縦長の小さな環礁で、大きな島が二つと小さな島が三つあるが、人は誰も住んでいない。そのせいか海は大変美しく、海中での視界が四十メートルから六十メートルという抜群の透明度を誇っている。また、魚種が多く、魚影が濃い上に、環礁のいたるところに砂地があるため、快晴の日の環礁内は砂地とのコントラストで一段と青の美しさを増し、まさにブルーラグーンと呼ぶに相応しい色合いとなる。また、外洋側の環礁の壁は真っ白な砂をかぶり、明るさを増し、澄み切った水の透明感を船上からでも感じることができる。まるで原子の海そのものと言えるほどの美しさである。

2004年、キミシマでさらに新たなポイントが見つかった。そのポイント名は「ジュエリードロップ(宝石の壁)」という。
顔が青で体が白いアオマスクや、紫とオレンジ色のスミレナガハナダイや黄色とピンクのバートレットフェアリーバスレット、真っ青なハナゴイや真っ赤なフレームエンジェルフィッシュなどがいたるところに群れていて、さらに水深を下げていくと青と白と黄色の大変かわいいマルチカラーエンジェルフィッシュも見ることができる。また通常三十メートルくらいの深さにいると言われている紫がかったアケボノハゼや青と黄色の入り混じったヘルフリッジなどが、水深十二メートルの地点から生息していたりする。
壁に真っ白な砂を敷き詰めて、そこに様々な形と色彩の小魚たちを散りばめたその美しさは、まさに「宝石の壁」である。

・・・前に、日本からやって来たある男性に、「こことサンドパラダイス、どっちが綺麗なんですか?」と聞かれたので、「これはどちらも甲乙付け難いんですね。私自身も迷っている次第なんです。」と答えると、「それじゃあ、よくわからない。もっと具体的に。」と返されたので、「いわゆるキャビアでいえばベルーガ、シャンペンでいえばドンペリ、野球界でいえばやっぱり長嶋茂雄でしょうね。」と、私にはとってもわかりやすいと思われる例えで答えたのに、「余計にわからなくなった!」と言われてしまった。そこで、「いいですか、ある日いい女と出会って一夜を過ごしたとします。ことが終わった後に眠くなりますね?その時、寝ようと思っていたんだけれども矢も楯もたまらず、またいたしたくなる女。これがいい女なんです!ではダイビングポイントではどうでしょう?一度潜って大変満足しますね。ところがボートに上がってタバコか何かをふかしながら、ぼんやりとしているうちに思わずもう一度潜りたくなるポイント、これがいいポイントなんです‼︎ですからいい女、いいポイントというのは、楽しさの中にどこか離れたくない、いつまでも一緒にいたい‼︎というような、いわゆる切なさ或いは哀切というようなものが湧いてくるものなんです。つまり、どちらのポイントも離れられないということです。わかりました⁇」と、精一杯説明したのだが、彼は、おもむろに腕を組んで空を見上げながら、「ナールほど!じゃあダイビングも女も結構辛いものなんですね!」とあまり私の意図を理解してくれなかった。私なりに、よりわかりやすい例えで話したつもりなんだが…。

その後、結局彼は完全にそこのポイントにハマってしまい、滞在中「またやりたい!じゃない、また行きたい‼︎」を連発していた。

タイトルとURLをコピーしました