ジープ島が誕生した初期からジープ島に訪れ、以来何度もジープ島に通い続け現地の写真を撮り続けているプロカメラマンの宮地岩根氏。吉田宏司と旧知の仲であることから、特別に対談コーナー開設記念号として登場いただきました。これまでのジープ島の思い出などを振り返りながら、プロカメラマンとしてファインダー越しから見たジープ島の魅力を語ってもらいました。
宮地氏初めてのジープ島は
吉田:ジープ島に初めて行ったのは何年ぐらい前だっけ?
宮地:ジープはですね、えーと、、、2002年ですから18年前になりますね
吉田:ああ、そんなもんなんだね。で、何回行ったんだっけ、もう、、
宮地:回数は数えてないですけど、30回と少し、行ってるはずですね
吉田:最初に行った時のなんかこう衝撃っていうかさ、そんなのは何かありますかね。インパクトというかね
宮地:最初見た時に、もう、あまりの珊瑚の綺麗さにびっくりして。あの、小さい頃沖縄で見てたあの元気な珊瑚がまだ残っているというのにびっくりしましたね
吉田:うん、沖縄のどの辺?
宮地:沖縄石垣島に、あの、子供の頃にいたんですけど、オニヒトデと白化でもう全然ダメで、行くたびにちょっと悲しかったんですけど
吉田:うん
宮地:ジープとの周りの珊瑚が、もうとても元気で。もう石垣島行かなくていいやと思いましたね。(笑)
吉田:あの、島正面の。前に台風で動いた大きい丸いサンゴの根の右側とか、前あたりは凄かったね
宮地:凄かったですよね
ジープ島の現在の珊瑚について
吉田:あと右側の枝珊瑚ね。、、、もう結構あれはもう無いなあ(以前ほどではない)。
宮地:そうですね。。。
吉田:ただ、今回見たらかなり出てきたけどね
宮地:あそうですか?
吉田:水温28.3度まで下がったんで。で枝もね、ジープのハウスで1箇所。あともう一箇所、モエン島に近いところで枝の群落があるところ見つけた
宮地:ほー
吉田:で、モエン島のそこはシュノーケルポイントとしては最高にいいね。だから以前みたいに復活してくるんじゃないかなって感じはするけどね。 ジープのハウスはもう10センチから15センチものがゴロゴロしてるのと、結構ピンクのサンゴがいっぱい根付いて出てきたんで、ちょっとカラフルになるかなって感じするね
吉田:そうか、やっぱりサンゴの衝撃だね、一番インパクトはね
宮地:そうですね
ジープ島の大きさについて
宮地:あと(ジープ島の)小ささもびっくりですね
吉田:うんうん
宮地:僕が行ってた島が、鳩間島っていう島行ってんですけど、鳩間島が直径1キロで一周4キロ。で人口60人という島だったんですけど、まあ、そこが一番ちっちゃい島だろうと思って通ってたんですけど、まあジープはなんと直径34メートルで無人島と。もうあんなとこは見つからんだろうなという
吉田:あの辺はもう、郁夫さん(写真家:中村征夫)なんかにもちょっと来た時聞いたことあるけど、あの環礁の内側にあるジープくらいの小さい島ってなかなか無いみたいね
宮地:そうですね。まあ、あと無人島は基本ジャングル化してて、泊まったりできないし、上陸すら出来ないとこ多いですから
吉田:まあと蚊がいるわな
宮地:そうですね。ジャングルのあたりは蚊がいますね
吉田:蚊とハエがすごいもんね
宮地:そうですね。とても快適に過ごせる場所ではないですね
スキューバダイビングについて
吉田:ダイビングで一番、、向こうでのインパクトさだったらどこかなポイント的に
宮地:ポイント、、僕、沈船に潜ったことなかったので、初めて富士川丸潜った時は衝撃的でしたね
吉田:やっぱりみんな富士川なんだよね、トラックの場合は
宮地:そうです、まず大きいですし。 当時はまだねエンジンルームとか残ってましたからね。マストもありましたもんね
吉田:そうだったね
宮地:海面に出てましたもんね。
吉田:そうそうそう。酔っ払いがね
吉田・宮地:折っちゃって(笑)
吉田:夜かなんか、ぶつかって本人も大変だったろうけど、マスト折ったことでね。あれ残念だったなー。今はマスト倒れちゃったからねえ、うん
宮地:らしいですね。まあ鉄の塊ですからね、70年以上たって、あんな感じで残ってるってだけでも素晴らしいと思いますけど
当時のダイビングポイント開拓の話
吉田:あとはあれだね。キミシマのポイント調査は結構面白かったね
宮地:そうですねうん。一番南端まで行かせてもらった
吉田:そうそうそう。途中のシュノーケリングなんか綺麗でね。いろんな幼魚いっぱいいて、砂地のところ、透明度が良い所にね。根が
宮地:そうですね。サンド、、
吉田:あ、サンドヘブンか。(ポイントの名称)
宮地:サンドヘブンですね。ええ、あそこまた行ってみたいですね
吉田:あそこいいね。あれブルーチャネル(ポイントの名称)側の後方の浅瀬も何回かシュノーケリングしたんだけど、あっちよりもサンドヘブン側の方が根がいいね。根とあの、面の落ち方が、なだらかで。
宮地:あそこは綺麗ですね
吉田:あれは面白かったなぁ
宮地:ブルーチャネルも最初の頃は撮影に何度も行かせてもらって
吉田:やってるよね、うんまあ、あそこギンガメ、バラクーダとか、、ギンガメは見事だったね。あの海の色は非常に濃いブルーでね、綺麗なところにギンガメが大量に入り込むから。メタリックブルー、メタリックってかね、あれはすごい綺麗だ。 うーんあれは、、
宮地:あの景色はなかなか見られないですね。あの透明度で、あの引き、、数っていうんですか?
イルカについて
吉田:結構色々やったよね
宮地:前半はだいぶ色々なことをやらせて頂いて(笑)、ええ、楽しかったですね
吉田:撮影の方はイルカも最初から結構当たってたんだっけ
宮地:そうですね、アルパ(イルカの愛称)の群れとか
吉田:そうだそうだ、アルパいきなり撮ってるんだもんなああの時
宮地:その後もニモとか出てきましたし
吉田:ニモは今でもいるね、たまに見る。あれがまだ赤ん坊だったもんね
宮地:そうですね。生まれたてぐらいで
吉田:もう立派な母親になってね、子供連れてるもんね
イルカを探すに当たって
宮地:そういえば、最近も三十何頭とか出てるみたいですね
吉田:イルカ探しはまあ順調っていうか、あとやり方をまたひとつ変えたのは、ゲストが8人以上いる場合は大きいボート出せるんで。必ずスモールボートもついてくるじゃない、上陸用に。そしたら島で待機するスタッフも一緒にスモールボートで出すわけイルカ探しに。別方向に行ってやると、結構見つけるんだよね。無線で連絡入れればすぐつながって無駄なくパーっといけるってね
宮地:それいいですね
吉田:それは何回かトライしてね100%で当たってる。 こっちが竹島に向かって行って、右側に対してフォノムの方に探してるという時に、全然違う冬島のほうに行かせるわけ。うん。そしたら見つけて、でかいの見えるぞーって言って、バーっと行けばね。それだからもっと人数多くなれば3艘体制でやれるんだよね
宮地:そうですね。無線はいいですね
吉田:ちょっと、それを徹底しようと思ってまあ、それが結構面白くなるなあっていう。
吉田:イルカはもういい感じで、あれはもう3代目くらいとかそんな感じだろうけど、4代目の子供なんかもいるんだろうけど、よく遊ぶよね。
ジープ島での仮装パーティー
吉田:あとはもう、吉田の誕生日パーティーはいっぱいやったね。十分にね
宮地:そうですね(笑)、一応11回やった、、
吉田:浴衣から始まってね
宮地:そうです。50歳の誕生日から始まって60歳までは、はい、やりましたので
吉田:11回(笑)
宮地:11回やりました(笑)
吉田:浴衣から始まってアラジンで終わったんだっけ?
宮地:最後えーとね、いや。 あれ?60歳の時なんでしたっけ。あの赤い赤いあのー、、パソコンをプレゼントした時
吉田:ルパン!
宮地:ルパンそうだ。最後ルパンですね。ま、翌年のパーティーはやりましたけど仮装をしなかったという。(笑)その代わり料理を頑張ったんです。61歳は。
宮地:準備大変でしたけどね。楽しかったですね
吉田:うん、今となってみるとね、なかなかやれったってできないもんね。
宮地:そうですね。でもまあ、都会でやろうと思ったら難しくも無いんでしょうけど、無人島でっていうところが面白いところですよね、ケーキもね、色々作ったり。いろいろこう。工夫しながらやるのは楽しかったですね
料理や酒の話
吉田:料理も結構作ってるよね、向こうで
宮地:そうですね
吉田:いろんな、、あ、、ブイヤベースやったっけ?向こうで
宮地:ブイヤベースやりました
吉田:やったよね。ブイヤベースとかアヒージョとか
宮地:あと覚えてるのは冷やし中華とかやりましたね、冷蔵庫の無いあの島で冷やし中華、っていう。(笑)
吉田:かなりいろんな料理を、、、
宮地:そうですね。パスタとかしょっちゅう作ってますし、やっぱりあの魚とかカニとか、買ってきていただいて、あ、カツオのたたきとかね
吉田:そうそうそうそう
宮地:まあ、現地は焼くだけなんで、やっぱちょっと手を加えると、また、美味しいって言う。酒のつまみに。いいですよね
吉田:釣った魚のも結構うまいよね
宮地:そうですね
吉田:ほとんどうまいよね(笑)
宮地:うまいです。あそこはまあカツオとサバが割とすぐ釣れるので
吉田:そうだよねえ。ナンヨウツバメウオ(南洋燕魚)もうまかったもんね
宮地:ナンヨウツバメウオがうまかったですね。ビックリしましたけどね。そうあの、ウメイロが多分釣れると思うので今度、ウメイロモドキはあの沖縄のグルクンの種類なんで
吉田:あれうまいですよね
宮地:あれ美味いはずなんですよ。だからちょっとアレを釣れればいいなと思って
吉田:あとあれだね。やっぱり酒は結構時分が大事だね。うんやっぱりあのね。あの砂を裸足で歩きながらいろんな酒用意して飲むってのはまあ楽しいよね
宮地:酒はもう毎回こだわって持ってきますからね
吉田:やっぱりああいうのはあれかな、沖縄で泡盛とかね
宮地:ジープだとやっぱりラム酒です
吉田:あ、ラム合うね
宮地:普段飲まないんですけど
吉田:あそこは合うね
宮地:あそこは合いますね。ラム酒美味しいですね
吉田:あの、たまにウォッカ入れて、ウォッカでさ、向こうの現地のライムあれを半分くらい絞ってさ、入れて飲むと、それも上手いよね。
ジープ島は唯一無二
吉田:まあ、酒飲みながら星みたり月みたりね。月の出も結構水平線から出るしね
宮地:そうですね。月の出はなかなか見れるとこないですからね、また、暖かいところなので、星も月も我慢せずに見れるところがいいですね
吉田:そうそう。まして蚊がいないですからね、パンツ一丁でね(笑)
吉田:うーん、なかなかやっぱりね、ありそうでないね。島の大きさもないけど。1泊2日で天気が良かったらさ、あの朝焼け、綺麗な朝焼け見て、昼間虹みて。イルカと遊んで、夕方夕焼け見て、で月の出見て、でそのまま飲んで起きておけば入りまで見れると。っていうところは、世界広しといえど、無いだろうねおそらく。360度見渡せて小さくないとできないってことだね。
宮地:そうですね。うん、他所で綺麗なとこもあるんでしょうけど、宿から車で移動したりとかね
吉田:カメラマンだから色々と行ってるもんねいろんなところ。なにかをひとつふたつやれるところがあってもね。あれだけ1度で、本当に晴れてる凪の日だったらさ一泊二日で全部やれちゃうもんね
宮地:そうなんですよ。もうそのまま寝れちゃうとかね、星の撮影しながらもうカメラの横にベッド置いて寝ちゃってますからね
吉田:寝るの我慢してるって感じじゃないんだよね
宮地:そうですね
吉田:飲みながらでも動いて、仕事もできるし、飲めるしまあ寝れるし、と(笑)
宮地:で、蚊がいないと
吉田:三拍子だなあ。それが自然にやれちゃうってのはあの島の良さでもあるね。あんまりこう何かしなきゃいけないとかって、そういう感じじゃないもんね
宮地:そうですね、あとやっぱり移動がないのが。もう島についちゃえば移動がないですからね
吉田:いや、本当に改めて体調崩して離れて、良くなってから改めて向こうに行って本当につくづく思ったけど、やっぱいいとこなんだなあっていうね
宮地:いいとこなんで、あの、これからも頑張って、みんなが行ける島であって欲しいと思いますね
吉田:そうだね、はいがんばります。(笑)
宮地:よろしくお願いします(笑)
宮地岩根(Miyachi Iwane)
ジープ島歴約20年のジープ島を愛するフォトグラファー。東京都杉並区の宮地スタジオでは、人物・商品撮影を主に行い、豊富なロケーション撮影経験を生かし国内外を問わず多彩な写真を制作している。
ジープ島のあるチューク州ではKAP(凧糸にカメラをぶら下げて撮影する方法)やドローンなど様々な手法で様々な角度から撮影。ジープ島誕生初期からの貴重な映像や画像を数多く残している。ジープ島のスタッフと言われるほどの知識や経験を持ちたくさんの現地スタッフからも愛される存在。