写真館に木村氏・堀川氏が登場です!

媚薬(CHUKEES MAGIC)

 男が女を口説き、女が男を口説く時に媚薬というものが頻繁に使われていた時代がある。いつの頃からなのか見当もつかないが、ギリシャ時代でもローマ時代でも。また中世に入ると魔女が使っていたなどという記録も残っている。私はてっきり過去のものとなってしまったと思っていたが、ここトラックでは未だにこの媚薬というものが日常的に使われている。
 媚薬とはAPHRODISIAC(アフロディジィアック)、いわゆる惚れ薬である。トラックではこれを男でも女でも使うらしいのだが、何処かの若い男女がくっつくと、必ずといっていいほど、島民たちがチューキーズ・マジックだ!と言い出すのだ。
 どうやら植物の葉の液を5種類から10種類くらい調合して、飲み物や食べ物の中に入れるらしい。また別の方法では、匂いをウチワに含ませておいて嗅がせるというものや、布に匂いを染み込ませておいて海水につけたものを相手のポケットに忍ばせるという手の込んだものもある。私も時たまパンツのポケットに手を突っ込んで見るが、あるのはタバコと小銭くらいで、媚薬にはとんとお目にかかったことがない。
 9年もこの土地にいるのだから、どこかその辺に私のことを思いながら、夜な夜なせっせと媚薬の調合をしている若い女がいてもおかしくないはずだ。少なくとも私はそう信じたい!

 話しは飛ぶが、やはり媚薬に関わる話で、以前エジプトに旅した時(確かカイロだったと思うが)、モスクの見える古びた商店街のとある小さな店で、怪しげな薬(名前がスフィンクスだったかピラミッドだったか忘れちゃったけど)を計り売りで買った覚えがある。確かこの時にアフロディジィアックという言葉を耳にした。小さなビンに入れてもらって100円か200円くらいだった。
 この時、店のオヤジが私に近寄ってきて耳元で「旦那!これをつけると星の数ほど女が寄ってきますぜ!」とそっとささやかれ、私はにんまりしながら「もう1本!」と言ってさらに買い足し、星の数程来られても困るか、まあ、足と手の指の数ぐらいなら何とかなるなぁ、とか考えつつお店を出たんだけど...。その後、私に言い寄ってきたのは、せいぜいタクシーの運ちゃんだけで、女は全く寄ってこなかった。

 そんなもんです、男の人生は・・・。

タイトルとURLをコピーしました